問題は、モバイル-クロスメディアの広告効果の作り方?

ブログ更新停滞中ですが(詫)、古巣のリクルートのお話であることと、
ともするとモバイル業界全体に暗いムードを持ってきそうな話なので、
15分だけ書かせていただきます。。。

R25式モバイル」突然終了の「なぜ」(J-cast)
http://www.j-cast.com/2009/07/02044528.html


リクルート側の発表をもとに
「月間1億ページビューでもモバイルに出稿する企業ニーズがない」
ITコンサルタントのコメントとして
「モバイルサイトなのにコストをかけすぎなのでは?」
「後発のモバゲーやGREEのモバイルは広告で成功しているのだから」
とあります。

ほかの方のブログでは
「モバイルがダメ、ということではなく、フリーマガジンとモバイルというモデルがダメなのでは?」
というご指摘もあります。


しかし考えてみれば、月間1億ページビューを稼げているのなら
トラフィックを稼ぐ、という意味でのクロスメディアは十分成功しているわけで
それをモバイルメディアでマネタイズできないのは、
「モバイルならではの広告効果を作れなかったし、プレゼンテーションもできなかった」
ということに尽きるでしょう。


以下は、今回のサイト閉鎖が"ほんとうに発表されている理由であれば"の前提ですが
「モバイルメディアがダメ」なのではなくて、
R25のモバイル広告プランニングのチームと営業部隊が
この高PVサイトを使ってきちんと効果を出す事例を作れなかった、
あるいはその効果事例を基にした「新しいパラダイム」のプレゼンをできなかった、
ということ。

「モバイルメディアはもうダメだ」
「モバイルと紙メディアのクロスメディアはダメだ」

と、結論するのは拙速ですし、R25を神格化しすぎだと思います。



その証拠に、クロスメディアで、しかもモバイルを中心に
しっかりと効果を出して、クライアントから評価されているメディアがあるのです。
もっとも、まだまだ数は少なく、
「スペースを売る」という営業スタイルでは受注にまでは至りません。
しかし、そこにはマグマのような熱い息吹を感じないではいられません。


R25モバイルのチームは、その息吹を感じ取ることができなかったのでしょう。



むしろ、リクルートOBとして心配なのは
「1億PVもの人気サイト=多くのファンユーザーがいる」
という事実。

メディアは企業のものであると同時に読者・ユーザーのものでもあるのです。
採算に合わない、という企業側の事情をユーザーに突然押しつけるというのは
読者からすると、ひどくエゴイスティックに見えます。


サイト終了の決断の前に、読者・ユーザーをがっかりさせないように
なにができるのか、なにをしなくちゃいけないか、きちんと考えたのかな? 


と思わないではいられません。

そういう「ユーザー愛」がなかったら、いくつメディアを作ってもダメだと思います。