プラットフォームとエコシステム-1

2/13のエントリー「勝負マーケティングと、Win-Winマーケティング」のアイデアが頭を巡っている。

「うちの得意分野はここ。他のソリューション提供企業と手を取って
 一緒に大きくなってゆきたい」

という姿勢が大切であり、また、評価されるべきだと感じられた。
モバイルソリューション企業が目指すべき戦略モデルは
PCネット企業のものとは根本的に異なってくるのではないだろうか。
"Winner takes it all"ではなく、
カクテルを前提とした"Win-Win"モデルだ。

と書いた件である。
もともとは、モバイルマーケティング市場においては
関連ソリューションのオプションが多岐にわたる上、
ユーザーの求めるサービスがめまぐるしく変わるという環境にあるため
一企業がどこまでも守備範囲を拡大して独占するよりも
「ソリューションカクテル」としてサービス提供されたほうが
提供企業にも、そのサービスを利用する企業にも幸せではないか、
という話だ。

見方によっては競合関係にある企業どうしも、
共通の目的を見つけられれば、よきライバルとして機能し、
場合によっては協業することも可能ではないかと感じたのだ。


その後にいろいろと自主研究して、

オープンビジネスモデル~知財競争時代のイノベーション (Harvard Business School Press)

オープンビジネスモデル~知財競争時代のイノベーション (Harvard Business School Press)

こんな本や
キーストーン戦略 イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム (Harvard Business School Press)

キーストーン戦略 イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム (Harvard Business School Press)

こんな本を読んだり、雑誌の記事を見たりするうちに、
この動きはモバイル業界だけでなく、企業イノベーションのスタイルとして
どうやらかなり昔から存在し、また、最近新しく研究されているらしいことがわかった。


日経ビジネス2/4号の「有訓無訓」(星野哲央氏:岐阜車体工業会長)では
こんな話が紹介されたいた。

トヨタグループの各社が研究会を始めた時に、ライバル同士の企業が猛反発したとき、
「かんばん」の生みの親である大野耐一氏トヨタ自動車 元副社長)がこう一喝したという。

「真似されたらもっと先に行け。
どうせ大したことはやっておらん、会社とは無駄の塊や」

まさに「くだらない競合関係を気にするよりも、もっと技術を磨け」というメッセージだ。

書籍「キーストーン戦略」は(まだ読了していないのだが)、まさにこういった事例を研究して体系にまとめ、新しいイノベーション創造のスタイルを指し示している。
あまりにも「ど真ん中」の研究書だったので、鳥肌が立った。
企業エコシステム(=生態系)が健全に成長するためにはハブとなる企業がプラットフォームを提供することが重要だという。


自分なりにこのコンセプトをまとめてみた。

  • コアとなる未来像、ビジネスの構想がまず存在する
  • 中心的な企業や人物をハブとして、企業の垣根を超えた研究やビジネスが展開される
  • 「競合企業との差別化」よりも「同じ未来を向いた企業による戦略的共存」の尊重
  • 企業連合をまとめるプラットフォームをハブとなる企業が提供する

具体的にモバイルのソリューションの業界の中でこういう動きができないかを考え始めている。

モバイルサイト構築ASP「Rockbird」の営業で似たグルーブ感を感じているという、
吉田姐さん(「ケータイ小説がウケる理由」)とは、この話題で盛り上がった。

また続報をBLOGに書きたい。
ご興味ある方は、お気軽にコンタクトを!