Twitterのビジネスモデルはモバイル広告?

湯川鶴章さんの上のブログ記事、Twitterが実は「モバイル」でのマーケティングを意識して作られているのではないか? という内容ですがご一読をおススメします。


現時点では「企業がTwitterを利用するとして、どういう成功事例があるのか?」「どう利用するのか?」といった話が多いわけですが、上の記事を読みながら、モバイルマーケティングの弱点を埋めるツールになるかもしれないと感じました。湯川さんの書かれた「モバイル広告」の話とはちょっと角度が違うのですが、それにインスパイアされた話を書いておきたいと思います。

モバイルマーケティングの弱点

モバイルマーケティングの弱点」とは「メルマガ購読のハードルの高さ」のことです。
モバイルマーケティングで大きな成功を収めている企業の事例を見てみると、カギとなっているのはメルマガです。開封率の高いモバイルメールの特徴を活かし、ユーザーに積極的にコミュニケーションをしかけて信頼・関心を獲得するという戦術が定番です。しかしここでひとつ問題が。そもそもメルマガ登録させるのが大きなハードルになるのです。モバイルはユーザーにとってはものすごくプライベートな存在。自分のメールアドレスを預けてよい相手なのかと躊躇してしまうというわけです。Twitterにはこの弱点をカバーしてくれる可能性があります。個人情報を預けるというビビりが不要。フォローするだけなんですから。

Twitterとモバイルのメール(メルマガ)との共通点

常日頃感じることですが、Twitterはかなりモバイルメルマガライクです(以下、リストアップしてみました。追加あったら教えてください)。

  • 情報受信者が暇な時にコンテンツを読む
  • あまり重要な情報が流通する場ではない。癒しの場
  • おもしろいコンテンツは気軽に転送(RT)してよいという了解がある
  • 繰り返しやってくるコンテンツを通じて理解を深める
  • レスするかしないかは情報送受信者との関係性によってまちまち
  • サイトへのリンク設定が容易
  • 時々発生するイベントに参加することで絆が深まる

情報受信者がリラックスした状態にあるときに繰り返しメッセージを提供、外部参照や情報シェアの自由度も備えている……これ、「ロイヤルティ」や「エンゲージメント」を醸成するのに都合よいプラットフォームです。
もっとも、Twitterはフォロー数が多いとタイムライン上では「見逃し」が多くなります。かといって頻繁にdmばっかり送るとフォローを外されそうですから頻繁に使わないほうがいいかもしれない(笑)。マーケティング的効果を図るなら、ある程度頻繁な「つぶやき」が必要になるでしょう。これを前向きに捉えるなら、モバイルメルマガが1日1回配信がせいぜいなのに対して、Twitterなら毎時間(1日23回)つぶやくこともできる、と言えます。より短期間でロイヤルティを作ることができるかもしれません(理論上)。


そういう視点で考えてみると、ドロリッチ挨拶bot、美崎栄一郎さんの書籍「結果を出す人はノートに何を書いているのか」amazon順位つぶやきbot、bebitさんが実施した「○×クイズ」(おそらく手動)など、タイムラインに一定の存在感を与えながらも企画性と一貫性あるTweetの例はけっこうあります。
マーケティング活用を前提にTwitterbotCMSを作っている会社は多いはず。これからいろんなリリースがされるのかもしれません。

Twitterもモバイルも効果測定はきっちり。

モバイルマーケティングでは、ユーザーの信頼獲得後にはコンバージョン率がぐんとはね上がります。しかもその数字が落ちにくい。これを称してわたくしは「ロックスター」のフェイズ、と名付けています。ロイヤルティの高いユーザーを対象にしたマーケティングを比較的簡単に構築できるのがモバイルマーケティングの妙。
Twitterを活用することで、この脈を太くすることができるというのが今回の仮説です。Twitterからモバイルメルマガ登録に誘導してもいいでしょうし、いっそ直接サイトに誘導して、直にコンバージョンへと誘導する流れを作るという方法もあるでしょう。


現在段階のTwitterの流れの中でも「ロックスター」的な反応が見られます。関連イベント(Twitter公式イベント、書籍出版イベント、実況イベント、オフ会など)の集客の速さ、参加者の熱狂は人気モバイルサイトの盛り上がりに似ています。またリアルタイムでの実況がTwitter上の参加者を巻きこむという点ではモバイルマーケティングにはない、まったく新しい盛り上がり、グルーブがあります。


逆に、ユーザーに期待させておきながら、期待はずれだったとき、トラブルがあったときののdisられ方や、炎上の勢いもハンパじゃありません。しかもブログやサイトのように「のちほど回答します」とか「よいしょ」と閉鎖したりできませんから注意が必要です。


気をつけたいのは効果測定。コンバージョン率を測定できるECなどの場合はズバリ結果が出てくるので悩む必要はありませんが、メーカーさんの販促や企業ブランディングカスタマーサービス的な活用の場合は何をもって効果とするのかという問題があります。
中長期的な顧客ロイヤルティや顧客満足度向上を計測すると結果が出るケースも少なくありません。ロイヤル顧客づくりの施策をスタートしたときに調査しないと後で「差分」を測れないので効果測定の準備だけは先にしっかりやっておきます。ここでもTwitterを併用は活きてきます。つぶやきのコメントを収集し、ポジネガ集計することができますね(ツールが必要なのと、Twitterのサーバーがきちんと稼働することが大前提)。



どうでしょう? モバイルマーケティングTwitter活用とセットで考えた方が「うまくいく」ように思えませんか。