勝負マーケティングと、Win-Winマーケティング

池袋サンシャインで開催中の
「ネット&モバイル通販ソリューションフェア」
http://www.cmptech.jp/tsuhan/
に関係者として参加。

第1回イベントということでかなりの告知をしたのだろう、
決して交通の便がよいわけではないのだが、ものすごい盛況だ。
講演は(無料ということもあるのだろうが)どれも満席に見える。
プレゼンターも気持ちいいことだろう。


モバイルマーケティングのコンサルという仕事上、
モバイルソリューションを提供している企業の情報は幅広く
知っておきたいということで、ブース出展企業さんのお話を聞いたり
時に「相談コーナー」の相談員となったり。

いろんなアンテナを張っているつもりではあったが
こんな狭い業界の中にも表に出てこないいい話がたくさんある。
やっぱり、顔を突き合わせてお話をするって、とても大事だ。


モバイルのソリューションは、PCのWEBと異なり、かなりマニアックな
仕様が必要とされることが多い。
たとえばメール送信ひとつ取っても、キャリアの「迷惑メール対策」の
対象にならないような工夫が要求される。
PCのメール送信ソリューションをそのまま使うことはできないのだ。

さらに通販となると、自社の在庫DBとの連動、倉庫システムとの連動など、
複数社のソリューションをミックスして利用することになる。
言ってみれば「ソリューション・カクテル」が必要なのだ。

逆説的に言えば、モバイルソリューションを提供する会社は
カクテルにしてもらいやすい仕様やサービスを提供するか、
他社のサービスをうまくカクテルするノウハウを持っているのが望ましい。

いろんな会社の方と会話して、この感覚を持っているかどうかが
ひとつの「峻別の基準」として使えるように感じられた。
「うちのサービスは、なんでも対応できる、うちはこれだけの実績がある」
とアピールする会社は、それはそれで嘘ではないのだろうが、
モバイルという環境変化の激しいマーケットに本当に自社だけで対応できるのか?
と、大きなお世話を焼きたくなった。

「うちの得意分野はここ。他のソリューション提供企業と手を取って
 一緒に大きくなってゆきたい」
という姿勢が大切であり、また、評価されるべきだと感じられた。

モバイルソリューション企業が目指すべき戦略モデルは
PCネット企業のものとは根本的に異なってくるのではないだろうか。
"Winner takes it all"ではなく、
カクテルを前提とした"Win-Win"モデルだ。


最近のネット企業をめぐる報道を見ていると
ほんとうにネット企業の"Winner takes it all"なんてモデルが
存在するのだろうか、という気もするのだ。