ソーシャルマーケティングの本質=モバイルマーケティングの本質

ひさしぶりのブログ更新です。しかも忙しさからの現実逃避という体たらく(笑)。
試験期間になると部屋を片付けたくなる高校生だったことを思い出しました。
まあ、それはそれ。


UCCさんのTwitterでの失敗が話題になってます。
いろんな話題が飛び交っていますが、湯川鶴章さんの記事には、なるほどと感じました。

UCCのTwitter騒動に思うマーケティングの本質的変化

僕が最も強く感じたのは、マーケティングの本質が大きく変化しつつあるのではないかということだ。


これまでのマーケティングの目的は、企業側のメッセージを消費者に伝える、ということだった。それはマスメディア全盛時代もそうだったし、インターネット時代になってオンライン広告、オンラインマーケティングの利用が広がってきた今日でもだいたい同じじゃないかと思う。マーケッターの多くは、自分たちのメッセージをどうすれば効率的に伝えられるか、ばかりを考えているように見受けられる。


 しかしソーシャルメディアの時代に移行しようとする中で、マーケティングの目的は、メッセージを伝えることから、消費者の声を聞くこと、消費者との関係を強化することに変わりつつあるのではないかと思う。


このご指摘、溜飲が下る思いがしました。


実はモバイルマーケティングで継続的な成功を収めているのは、モバイルを「ユーザーとの対話」に活用してきた企業なのです。


ちなみにモバイルマーケティングは「ケータイのメール」を使うのがポイントですが、ユーザーにとってのモバイルメールはほとんど自分の身体に直結しているような感覚を持たれており、そのアドレスをどう企業に開放してもらうか(つまりメルマガのパーミションをどう獲得するか)が最初の難関です。
マーケターはそこで、いろんなアイデアを絞ってメルアド獲得に頑張るわけですが、多くの企業はその難関を越えたところで安心してしまいます。


モバイルのメールマガジンの多くは
「いまだけの超特価! すぐ買わないと損するよ」とか
「ここだけの限定入荷。他には売ってないよ!」
のような、一方的なオファーや、ゆるやかな脅しのようなセールストークです。


実際、マーケティングの本やセールスレターの本などを読んでみると、そういうシカケが大切だなんて書いてあります。それはそれでかつてのダイレクトメールや、テレビ通販などでは有効な手段だったんだと思うし、まだまだ一般的なWebのマーケティングでも有効な手段のようです。


でも、モバイルメールや、ソーシャルメディアのように、ユーザーが「ここは自分の領域!」と感じているエリアが生まれて、状況は変わっているんです。そこにはマスメディア時代にはない新しいパラダイムが生まれています。
企業は一歩そこに足を踏み入れたら、まずユーザーの話を聞かなくちゃです。そこはユーザーの場所なんですから。


「はじめまして。うちはこういう会社です。ご興味持っていただいて光栄です!」
「うちの会社のこと、いつもテレビで見てくれてる? ありがとうございます。実はアレには裏話がありましてね…」


というトーン&マナーが大切です。
実際、モバイルマーケティングで成功を収めている企業の多くは、結果的にそういうコミュニケーションを実践してユーザーとの対話でサイト運営している企業。
ユーザーを脅すようなメッセージばかり送る企業は、一時的に売上を伸ばしたりしても1〜2年の時間軸では淘汰されています。


じつはここが「モバイルマーケティングは難しい」と言われるポイントで、モバイルサイトを設置する企業の数がこの数年減少傾向にあるのも、このトーン&マナーへの理解が不足しているために成功への道のりが見えないからではないかと思います。
よしんば成功法則が見えたとしても、こういうコミュニケーションを継続してゆくためにはそれなりの企業文化が必要です。
たとえば「とにかく新規顧客獲得。顧客満足なんか事業が軌道に乗ってから考えればいい」というような気質の企業は顧客に対する向き合い方がズレているのでものすごく苦労します。
顧客とのコミュニケーションは「うちの商品はいい商品」と洗脳することだと思っていますから。


しかしソーシャルメディアを使ったマーケティングのブームを追い風に、ユーザーと企業がエンゲージするための大切なポイントは「顧客との対話」「顧客満足中心にしたコミュニケーション」だということが明らかになったら愉快です。
そのとき、企業はソーシャルメディアマーケティングだけでなく、モバイルマーケティングでも成功できるようになるでしょう。


逆に言えば、いまソーシャルメディアを使ったマーケティングについて「雲を掴むようだ」と感じている企業は、モバイルマーケティングの成功企業に学べることが多いのではないかと思います。