96世代マーケティング

地域活性にモバイルを活用を、とアツく活動されているLivegrooveさんのブログでキュウロク世代(09年現在13〜14歳)のマーケティングをエントリーされてました。

■A:自由を求め、得られる人

「良いものを」手に入れる、という意識のあり方を優先的に考える人。

⇒良いものを「買う」、という「購買感覚」が、もはやないかもしれない。


■B:自由を求め、得られない人

「良いものが」欲しい、けれど手に入らないため、代替品を仕方なく買う人。

⇒「○○だから実はこっちの方が」と便宜的に納得するが、本質的には満足していない。


■C:そもそも自由を求めない人

そのときまでに慣れ親しんだシステムにのっとった購買行為を継続する人。

⇒新しいものへの興味はあるが、よほどのことがない限り自分から手を出すことはない。


情報が無料で手に入るのが当たり前の彼らは10年後どういう消費者になるんだろうか?という話。
ちょうど昨日のTwitterログに中学生でRubyの高速化に貢献した天才中学生の話題を拾っていたけど、まさに彼らが働き手となるときですね。


彼らはネット活用もモバイル活用も、テレビの視聴も、もっと言えば、本やマンガを読んだりするのも含めて、メディア利用に対する優先順位付けがフラットです(うちにちょうどいいサンプルがいるので、断言・笑)。面白ければそれを使うし、つまんなければ見ないという感じ。ぼくらテレビ至上世代からはちょっと驚きます。お金を使わなくてもなんでもできるからなのか、お小遣いや娯楽にガツガツしている様子もありません。


フラットな感覚は彼らの社会性や対人関係構築にも言えるような感じがします。家族とも友達ともフラット。安寧な関係を作って、静かにいろんなことを楽しんでいるように見えます。けっして世の中に斜に構えている様子でも、絶望している様子でもなく、エコにはそれなりの危機感を感じながらも、まじめに、フラットに社会に対して向き合っているような印象があります。親世代に対して無駄に反発する様子でもないのは、ファッションを見ていてもわかります。男の子も女の子もこぎれいで、特別なハングリーさや暴力性がありません。貧富の格差が拡大しているとは言われますが、お金持ちでなくてもユニクロやシマムラでそれなりのオシャレは楽しめるし、家族共用のパソコンがあれば無料でいろんな娯楽を楽しめ、地域の図書館などの公立施設を利用すれば、本や雑誌も好きなだけ読めることも知ってます。なにかにハングリーになることが難しいのかもしれません。


一方で、こんな地球に生まれたからなのか、自分たちのアイデンティティよりも世の中や世界全体に対する意識が高く、自分たちがやるべきことがしっかり見えているようでもあります。もしかすると、無駄なお金を使わず、人間らしいコミュニティを大切にした、基礎代謝の低い人類文明を作ってゆく人たちかもしれない、とも思えてきます。10年後、日本は経済大国ではないかもしれません。けれど、意外とキュウロク世代の彼らは冷静に自分たちのやるべきことをやって、世界をよくしようと頑張ってるんじゃないかという気がします。美食じゃなくても、カッコイイ車に乗らなくても、ぼくらは正しく生きてるから満足してるよ、と。。。


「そんなんじゃ、日本の国力は…」「経済力のない日本なんて…」「日本は輸入大国なんだぞ」などなど、いろんな心配してしまうのですが、彼らは気にせずに新しい生き方のパラダイムを作って、ローカロリーな世の中を作っていこうと決意したりしているのかもしれません。すでに彼らの生活がそうであるように、GDPの世界ランクがどうであれ、暮らしの満足度はそれほど低くない世の中がやってくるのかも? むしろ、いまの世代が残した借金や、無駄にないものねだりする老人世代の価値観が足をひっぱるのかも? …って。。。まとまりないですが。


ふとジョン・タイタ―の話を思い出してしまいます。1998年生まれの未来人がタイムトラベルして2000年の米国に現れたという、実話(?)の主人公。未来から来た彼は2000年当時の世の中を「ぼくの時代の人たちはこの時代(2000年の世の中)を享楽的で、堕落した人類と呼んでいる」と話していたというエピソードがありるんです(この本、本当、面白いですよ)

未来人ジョン・タイターの大予言―2036年からのタイムトラベラー (MAXムック)

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