モバイル・レバレッジド・マーケティング

モバイル施策の「ブラックボックス

備忘録的にエントリーしておきます。
モバイル施策の成否には「ブラックボックス」がある、という話。


なぜ「モバイルマーケティングの成功事例」は、アパレル業界に偏っているのか?
なぜきちんと資本投下している大手企業が「モバイルは、Webのようには結果がでない」とボヤくのか?


モバイル施策で成功している企業の担当者は
「モバイルは、よく売れます。まるで自分が神様にでもなったかのよう」
とほくほく。


一方のうまくいってない企業担当者は
「まだまだモバイルWebにはなにかが足りない」
と言います。


「そこそこ」
…という、中間の意見を伺う機会がほとんどありません。
この激しい落差の理由は?



モバイルは「向き」「不向き」がある

モバイルサイトというステージでは
「そこでなにを提供するのか」「ユーザーとどういう対話をするのか」
によって、反応が極端に異なるようです。
モバイルを利用する環境や、利用時の心理状態など、
エモーショナルなインパクトが影響しているようです。
社会心理学アフォーダンスの研究の範疇なのかもしれません。


しかもモバイルサイトの構築・運営は一般的にPC用のWebよりもお金がかかります。
集客コストも決して安くないくせに、リピート施策はメールマガジン頼りだったりします。
結果として、「モバイル向き」ではない案件は、反応がそこそこだったとしても
Webと比較したときには投資回収が極端に悪くなります。


モバイルを活用する一般企業にモバイルの評判が芳しくないのは
こういうところに理由があるようです。
この「ブラックボックス」を開くカギが見つからない限り、
モバイルマーケティングに対する評判は上がらないような気がします。

モバイルに「向いてる」案件てなんですか?


では、「モバイルに向いている」ってどんな案件なのでしょう?
いろんな事例からの<体験的な類推>に過ぎませんが
成功しているサイトの例から考えると、以下のようなものが
モバイルユーザーをつかんでいるように思われます

  • サイト運営者に「おまかせ」で短期に快楽を得られる

 (ゲームサイト、アパレル通販サイト、コミックサイト)

  • サイト運営者が非常にやさしい、非常に親身である

 (通販サイト、企業CRMサイト)

  • こっそりチェックしたいコンテンツがある

 (コンプレックス通販、消費者金融比較、アダルトコミック)

  • 即座に底値や話題の情報/金券を獲得できる

 (ニュースサイト、クーポン&ポイントサイト)


これらの特徴から、さらに考察を進めると
モバイルは「情報検索」よりも「顧客ロイヤルティ醸成」に
大きな影響力を持っているのではないか、という仮説が見えてきます。


「モバイルがうまくいかない」とお嘆きのご担当者のみなさん、
そのモバイルサイトは顧客ロイヤルティづくりの仕掛けがありますか?


こういった仮説を、きっちり数字で検証してゆきたいと思ってます。